Episode No.1098(20020302):人生に反則負けしない
先日、たまたま見たTVのワイドショーに
ちょっと懐かしい顔が出ていた。
プロレスラー、上田馬之助。
もちろん個人的に知っているというワケではないが・・・
金髪の悪役レスラーは、ブッチャーと並んで印象深い。
現在、61歳。
最近、テレビで見なかったのは
年のせいでリングを降りたからかとも思ったけど
あの人くらい強烈なキャラクターなら
トーク番組にバンバン出ていてもおかしくない。
実は、平成8年に大きな交通事故に遭って
半身不随になってしまっていたのだ。
「今はリハビリ室が俺のリングだと思ってる」
その口調は脳障害のせいか、少し重い。
しかし、不屈の闘志は失われていなかった。
かつて国内のリングで
悪役レスラーは外人の役だった。
日本人初の悪役レスラー上田馬之助は
「日本の恥」とののしられながらも人気を博した。
与えられた役割を徹底的にやり通す
それが不屈のプロ根性・・・!
実の娘から
「おとうさん、もうやめて」と言われた時は
さすがにつらかったようだが・・・
実際はリングを降りれば、
面倒見の良い良き先輩で、仲間内の評判も悪くはなかったらしい。
事故後に入籍した夫人と二人三脚の日々。
「彼女がいなければ、私は生きていられない」
と言う、上田馬之助に対して
「自分を必要としてくれるあの人がいるから
私には生きがいがある」
と語る夫人。
現在は、同じような苦労を背負う人たちを励ますために
さまざまな施設をまわって講演活動なども行っている。
そうした仲間を集めて作ったのが・・・「金狼会」。
とても福祉目的の会の名称には思えないけれど
車椅子に座る上田馬之助は
いまだにトレードマークの金髪を
誇らしげに輝かせていた。