Episode No.3242(20090116)
日々の喜び

真実をありのままに言ってしまえば、
誰もみな、
自分を騙しながら
何とか生きているんだろう、ね。

可能性とか、希望とか、
いい意味で騙すのは、
同じ現状を人間の都合に合わせて、
発酵と腐敗に言い分けているようなもの。

明日は何かいいことがあるかもしれない
・・・なんて思ったところで、
実際に明日になってみれば、
ただ1日、年をとっただけの話。

それでも・・・
たまたま入った
食堂の漬け物が旨かった、とか。
横断歩道に向かって歩いていたら、
ちょうど信号が青に変わった、とか。
ふと曲がり角を過ぎたら、
富士山がバーンと見えた、とか。
そんな小さな喜びがあれば
・・・少しは楽しく生きていけるもんなんだよな。

「人間の運命なんて分からねぇもんな。
 俺だってよ、
 いつかどっかでいい女に
 巡り会うかもしれねえもんな。
 たとえばの話さ、
 この敷居またいだとこで、
 いい女に俺がバッタリ会って、
 その女と所帯持っちゃうかもしれねぇ。
 ま、そういったことを信じて
 生きて行こうじゃねぇか、な」

by
『人生に、寅さんを。』キネマ旬報社=刊

同じようなを持っているのに、
またあの優しそうな笑顔につられて
写真付きの名言集を買ってしまった。