Episode No.3658(20100517)
底が抜けた引き出し

記憶こそが人生の宝ではないか
…そんな風に考えたことがある。

しかるに最近…
40代も後半になってくると、
しまってある記憶と、
その記憶を
呼び起こそすためのスイッチの
間にある装置が
何の前触れもなく動かなくなってしまって、
まるで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
デロリアンのエンジンが
肝心な時にかからなくなってしまったシーンのように
イライラすることも、しばしば。

周囲の同年代の連中と話していても、
やたらと「えーっと何だっけ?あれ、あれ」
という台詞が多くなってきているから
…やっぱり年のせいなんだろうな。

昔、どういうわけか
ブルック・シールズの名前が
一週間出てこなくて
イライラしたことがあったけど、
ついこの間は、
ジョニー・デップの名前が
会話中にとうとう出てこなかった。

最も最近は
インターネットという図書館を開けば、
すぐに答えは見つかるので、
昔ほどイライラは長く続かないけど、ね。

自分の頭の中に机があって…
机の上にあるものは、まだよく見えてるけれど、
とりあえず一番上の引き出しにしまったものが、
再び引き出しを開いた時に…ない。

グチャグチャになった引き出しを
かき回していると…
引き出しの底が抜けていて、
もう一つ下の引き出しに物が落ちている。

おかげで、
もう一つ下の引き出しもグチャグチャ。
…で、そこをかき回してみると、
そこもまた底が抜けていて、
最後はゴミの山のようになってしまっている
一番下の大きな引き出しから
必要な物を取り出そうとするので
実に時間がかかる。

最初から整理をつけてしまっておけば、
まだ探しやすいかも知れないが…
底が抜けた引き出しは、どうにもならんな。

せめて引き出しを大きくするしかない、ね。


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