車が好きなのと、
車で走るのが好きなのとでは、あきらかに違う。

世帯主になる前までは
車こそ我が城みたいな感覚で、
住めるような快適さを車に求めたりもした。

ようするに私の場合は車が好きだったわけで、
走るのが好きだというスポーツ感覚はなかった。

彼女ができると、
走ることにも楽しみを見いだすことになるが、
走りそのものを楽しんでいるのでないことは明白だ。

さて、結婚して一応、家もある…となると、
自分の城は車より、もう少し大きくなっているし、
彼女は車で迎えに行くのではなく、うちに帰ってくる。

多少は走りを楽しむ気持ちもあるが、
それはすっかりバイクに鞍替えされた。

家族そろって車で移動するのは、
電車賃より安いからで…
車は、いよいよ人や荷物を運ぶ道具以外の
何ものでもなくなってしまった感がある。

それでもなお持っている車へのこだわりは何だ？

好きな色、好きなカタチ…
好きな造形は時に必要な機能を上回るウエイトで
価値観を左右する。

便利だから、理屈に合うから、安いから…
あるいは、安全だから、安心だから
…という当たり前の価値観だけじゃ
モノは売れないよなぁ…。