Episode No.6807(20200605)：[挑戦]Challenge
助蔵物語・制作ノート〈２３〉
漫画専用シナリオ考

シナリオを書く作業は自分にとって
心の中のスクリーンに映し出された映画を
文字に起こしているような感じ

お吉や助蔵の話は誰かに頼まれて
一定の条件の下で書いているわけではないから
…それはそれは楽しい作業だ

シナリオ形式で書いた
長い概要を
まず漫画家さんに見てもらって
話の流れをつかんでもらう

そこからネームと呼ばれる
漫画の下書きに入ってもらうのが
一般的かもしれないが…

自分の場合には
そこからもうワンステップある
漫画専用シナリオを起こすのだ

映像で思い描いたものを
そのまま漫画にはできない場合が多い

そこは漫画家さんの想像力を借りて
うまく演出していく場合も多いのだが…

こと歴史漫画においては
あまり想像力を膨らませてしまうと
史実に反することにもなりかねない

最初のシナリオはWordのような
テキストエディタで書くが
漫画専用シナリオはExcelで書いている

シナリオに基づいて
ページ割りをしていく

右ページでいいもの
…と
左ページでなければなけない
…内容がある

ページをめくってドン！
…と出したい時があるので

そこでうまい具合に
そうなるように…
シナリオを足したり削ったりする

こうした作業は
漫画原作を書くことに慣れている方なら
不必要な作業なのかもしれないけれどね

そうしてページ構成が決まると
次は１ページの中でコマ割りをする

そのためにはExcelの方がいいのだ

コマ割りが決まると
必要に応じてコマごとの
背景や小道具などの資料を用意する

何せ歴史モノは資料が多い

第何話 何ページ 何コマ目の資料なのかを
わかるようにしなければならない

これはあくまでも自分流なので
必ずしも原作者が
ここまでやらなければならない
…ということではないと思うけれど

そこまでやらないと
気が済まないのは…性分か

しかし
そこまで準備をしても
またその考えを超えたアイデアの
コマ割や絵が
漫画家さんから飛び出してきて
うならせられることもしばしば

その感動は…最初の読者の特権だ

だから、人生日々更新