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Episode No.376(991109):捕虜虐待食品の謎

このところ、ずっと鼻がつまっていて、まともに物の味がしない。

何を食べても、まるで紙や発砲スチロールでも食べているようだ。
もちろん、紙や発砲スチロールを食べたコトはないんだけれど・・・。

いかに私が味音痴で何でも食べるとは言え・・・これでは文字通り、味気ない。

戦時中、日本の捕虜収容所に捕らえられていたアメリカやイギリスの兵隊が抗議行動を起こした。
「こんな木の根など食べられるか!」
それは、収容所で出された食事に対するモノだった。

戦後もこの一件は尾をひき、結局、この収容所での食事は捕虜虐待として戦犯にまでなった。

この時、出された食事とは・・・ゴボウである。

きんぴらや煮物など、日本にはゴボウを食材とした料理が多いのはご承知の通り。
繊維質が多く、今で言うファイバー食品の元祖とも言うべきゴボウだが、実はこれを食べる習慣があるのは、世界の中でも日本だけ・・・だそうだ。

タコやイカを食べるのが珍しがられたコトもあるが、現在は寿司ネタとして知られるようになっている。
また、イタリア料理でもタコやイカはポピュラーな食材。

ゴボウの原産地は中央アジアだ。
したがって、もともと西洋にはない植物。
中国では、おもに薬用として用いられ、日本にも野菜としてではなく薬用植物として入ってきた。

現在はスーパーの店頭に行けば、ゴボウに限らず、どんな食材も一年中手に入るが、本来コボウの旬は梅雨。
つまり6〜7月頃である。

それが正月の煮染めなどに使われ出したのは、いつの頃からなのか・・・。
おせち料理の謎については、約50日後余りに迫った新年までに調べてみるコトにしよう。


参考資料:「頭にやさしい雑学読本」竹内 均=著 三笠書房=刊

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