子供たちは、よく私の部屋を行き来する。
							…というのも、
							私の部屋には
山のような漫画本や
							DVDがたくさんあるから。
							
ちょっと暇ができると、
								漫画やDVDを持ち出しては
								リビングでひたすら見ている。
							高1の長男は、
								友達やTSUTAYAで借りてきた
								CDを聴いていることが多いけれど、
								私の部屋にある古いロックのCDを
								時折持ち出しては「友達に貸してもいい?」なんてね。
							思い返せば、私の浪曲好きも
								父親の部屋にあった虎造のLPがきっかけだった。
							話の前後が知りたくなって、
								全集は自分で集めたものだ。
							中1の長女と小4の次男は、
								あいかわらず「らんま1/2」ばかり読んでいる。
							私にとっては懐かしい漫画だが、
								子供たちにとったは新しい漫画だ。
							次男が実写版「サンダーバード」を引っ張り出してきて
								「見てもいい?」と尋ねてきた。
								DVDを機械にかけながら「懐かしいんだよな、これ」
								…などと言う。
								操り人形版の「サンダーバード」なら懐かしいが、
								実写版なんて、ついこの間じゃないか…と思う。
							しかし、人生10年の彼にとっては
								数年前も、大人が感じる数十年前に匹敵するのだろう。
							デジタル化やインターネットのおかげで、
								こうしていつでも手軽に映画や音楽を楽しめるようになると、
								世代によって知ってる、知らない…なんてことは
								今後少なくなってくるのかもしれない。
							ようするに、その作品に
								手をのばすきっかけがあったかどうか…だけ。
							と、なると…何に興味を持たせるのか、
								そうした情操教育の環境を作る親の役目は
								昔よりずっと重大になっているんだろうな。
							漫画や映画と同じように
								歴史の本や偉人伝も楽しめる環境を作りたい。
								…学校の勉強がすべてだと思ったら、
								つまらないものだと誤解しかねないから、ね。