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Episode No.113(990106):兎屋の真実
今年は兎年。
まったく干支なんてモンは、今や年賀状を書く時くらいしか意識しなくなったが、学生時代には一時、ずい分と気にしたモノである。
とくに高校時代。
煙草を吸っているところを警官にとがめられたら年をゴマかすしかない。
そこで警官が年齢の後に尋ねてくるのが、決まって干支だった。
「年は?」 「ハタチです」 「じゃ干支は?」 「ううっ!!」
ここで詰まって嘘がバレ、交番まで連れていかれて説教をくらったヤツもいた。
私の場合は、こういうドジは踏まなかったが、やっぱり交番に連れていかれたコトはある。
干支も何も答えぬうちに・・・。ツメ襟の制服姿だったのでゴマかす間もなかった・・・というワケ。
ところで、明治時代に兎屋という大型書店があった。
常々、積極的な広告展開によって客を集めていたこの書店では、どんなことでも広告のネタにする。
近所に火事があれば、4万円分の災害を覚悟していたが幸い災難を逃れたので、燃えたと思って2万円分の安売りをしましょう・・・という広告を出した。
しかし、そのアイデアも尽きて、同じ広告を何回も出したため、終いには客にも飽きられ、兎屋はとうとう廃業に追い込まれる。
そこで出した最期の広告が「廃業のため大安売り」。
この広告がまた大勢の客を集めて、何とか持ち直して営業を続行した・・・という話。
何だかパチンコ屋の新装開店みたいな話だが、その後、兎屋がどこまで栄えたかは定かではない。
ちなみに私の母親は兎年生まれ。
本当は前年の12月、つまり虎年生まれだったが「女の子が虎じゃあ・・・」というコトで、わざと出生届を遅らせて提出し、強引に兎年生まれとなった。
だが、その甲斐もなく性格は"虎"そのものである。 |