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Episode No.040

日本から依頼されている仕事を、もう36年にもわたって続けている夫妻が、オーストラリアにいる。

人形使いであるバーク夫妻が、この仕事を最初に依頼された時、扱う人形は「子ネコ」のはずだった。

当時、欧米で大人気だった"キャンキャンキャット"というキャラクターを想定して作られた、その「子ネコ」人形は、当時の担当者の目には「小グマ」に見えてしまった。

結局「小グマ」の健康的なイメージもいいということで、本番の当日に「子ネコ」は「子グマ」として扱われることになった。

以来「子グマ」たちは赤とピンクに塗り分けられたバージョンが作られたり、一度は降ろされて代わりに「ペンギン」が登板としこともあったが、結局、子供たちの熱狂的な指示を受けて、最初の白い「子グマ」たちに戻った。

"天国と地獄"のメロディに合わせて、カンカンダンスを踊る「子グマ」と言えば、ご存じ、カステラ一番♪文明堂のテレビコマーシャルだ。

このCF撮りでは新作が作られる度に、スタッフはバーク夫妻を訪ねてオーストラリアに出向き、現地で撮影を行っているという。

ラストシーンで「子グマ」たちは、おじぎをしてシッポを振るお馴染みのポーズをとるが、「クマ」にしては、ちよっと長めのこのシッポこそ、「子ネコ」だった時の唯一の名残りである。

そう言えば、ネコ型ロボットの「ドラえもん」は、ネズミに耳を食いちぎられて以来、ネズミが苦手になったという設定のようだが(考えてみると結構、残酷な話だ)、もし「ドラえもん」に耳が付いていたら、文明堂の「子グマ」たちに似ていないこともない。

文明堂でも「ドラえもん」の大好物であるドラ焼きは作っているわけだし、いつの日か、白い「子グマ」にまざって、青い耳なしネコの「ドラえもん」が、いっしょにカンカンダンスを踊っていても不思議はない。

最も、その版権を獲得するのは、オーストラリアへ撮影に出向くより大変なことかもしれない。


参考文献:「広告キャラクター大博物館」ポッププロジェクト=編 日本文芸社=刊 ほか

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