Episode No.869(20010608):不安も一瞬、理想も一瞬
											
										昨日の話の続きになるけど・・・
											はたしてタヒチに渡ったコーギャンは
											自分が求めていた「楽園」を見つけるコトができたんだろうか?
											
											ゴーギャンがヒヴァ・オア島に小屋を建てたのは、
											今から100年前の1901年、53歳の時だから・・・
											タヒチに渡った、ちょうど10年後の話。
											
											その小屋をゴーギャンは「歓楽の家」と呼んだ。
											
											その「歓楽の家」でゴーギャンが過ごしたのは、わずか2年。
											1903年5月8日に心臓発作のため死去している・・・享年55歳。
											
											55年の人生のうちの2年というのは・・・単純計算で言えば、わずか3.6%。
											
											人生のうち、たとえ数%でも
											最期に幸せがつかめたとしたら、それは幸せな人生なんだろうけど。
											
											残りの96.4%は・・・ひたすら探し、何度も迷うしかないのが人生、か。
											
											だけど・・・
											安心感に包まれた、悠々自適の暮らしと
											とにかくバタバタ何がやっては、泣いたり笑ったりしている時と
											どっちが面白いかって言えば・・・やっぱり後者だと思う。
											
											映画がドラマだって、そうじゃない?
											ハラハラドキドキする時が観ていて一番楽しいし
											それがなけりゃ・・・いきなりエンディングで感動することもない。
											
											まぁ、こうでも考えないと
											今現在のハラハラドキドキした生活を
											とてもじゃないけど乗り切れない、っていうのが本音。
											
											最近、よく思うんだけど・・・
											理想ピッタリの異性と巡り会うコトは、まずないのと同様に
											理想の職業のなんてのも、理想の暮らしなんてのも・・・実は存在しないんじゃないかな。
											
											何かに向かって、つねに頑張ってはいるけれど・・・
											向かう先にいるのは「一瞬」だけで、
											理想なんてモノがドデーンと横たわっいて「ここまで来れば、もう安心」なんて場所はない。
											
											ようは・・・幸せな「一瞬」を生涯に何度経験できるか、ってコトなんだろうな。
											
											考えてみれば、何年何月何日、何時何分何秒は・・・
											一瞬しかないんだから・・・当たり前の話なんだけど、時々それを忘れちゃう。
											
											永遠への憧れは強いけど・・・
											永遠なんてモンがあったら、真っ先に飽きてしまうのは自分の方だろうし。
											
											頑張っていられる時間を楽しめないと・・・
											人生の96%以上は、つまんないモノになっちゃうかも、ね。